戦略経営の実践(経営者リレー講義)第1回

2010年10月2日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
curriculum-management-101002-02伊藤忠商事(株) 代表取締役会長
小林 栄三

グローバル時代における会社経営

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

日本はグローバル企業が少なく、海外での人材育成が進んでいない。日本にある本社から海外への異動は多いが、今後は海外の企業から日本の本社に人材が流れてこなければならない。国籍・人種・性別・年齢に拘らず、多様性を受け入れて、世界の視点で活躍できる人材(ダイバーシティ)を育成していくことが、更なる発展へのキーワードとなる。外国人との文化の共有は難しいが、相手の文化を理解することが重要である。

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企業のあり方については、近江商人の経営哲学である「三方よし」の精神が今でも根付いており、利益の追求だけではなくCSRを実践している。上場企業は株主への還元を重視し、株価の上昇のため成長戦略を実践しなければならないが、長寿企業は人材の確保や教育を重視し、人材を大切にしている。

また企業のコアの部分を守りながら、イノベーションを起し、挑戦することが秘訣である。企業の歴史や伝統を守るために、時代にあった事業戦略を実践していかなければならないが、「三方よし」と「人材育成」は変えてはならない。

従業員が幸せになるためにはどうすればいいか、どう活性化させていくかを常に考え、従業員のチャレンジ精神を活かしていくことが重要である。

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人材教育の一環として、従業員へは諦めずに目標に向かって突き進む「ネバーギブアップ」の精神を持ち、自分のアイデンティティを確立することを伝えている。またコミュニケーション能力を高め、自分の強みをさらに強くすることが必要である。無関心にならず、様々なことに関心を持つことや何かを見つけようとしているかなど、従業員自らが向上心と自律性を指導している。また「挨拶をする」「嘘をつかない」「謝る」など、「当たり前のことを当たり前にやる」という基本動作を重視している。

大企業の経営者が中小企業の経営者と同様に、自らが人材の育成に携わり、人間性の成長に拘る基本的な行動や心構えなどをご指導されていることを知り、非常に感動した。企業を良くしたい一心で、最大の努力をしなければならないことを実践された結果が、企業の発展に結びついていることを強く感じた。(Y.A)

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