戦略経営の実践(経営者リレー講義)第7回

2008年11月8日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
ワタベウェディング(株) 会長
渡部 隆夫

ワタベウェディングの成長戦略と国際展開~経営理念で企業を伸ばす~企業は変化・創造業なり

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

本日は貴重なお話を有難うございました。今回のお話を伺い、経営理念を形骸化させることなく、徹底して実行と結びつけることが大切ということを学ばせていただきました。

多くの企業が経営理念を掲げていますが、御社のように、従業員の全員と共有することを徹底し、日々の業務の実践レベルまで企業理念が息づいている企業は多くないと考えます。お話のように、全員参curriculum-management-081108-02加の経営が望ましく、上位層と末端までの考え方に相違があってはなりません。経営者としては、そのリーダーシップのもとに、末端の従業員までもが同じ志で日々の業務まで行うことができるような体制を整えることが、体力のある、強い企業をつくることができるのだと感じました。

当社にも経営理念がございますが、全従業員が行動指針のベースとして、とことんまで浸透しているか?と問えば残念ながらNOです。その差を考えたときに、経営理念の浸透に重要な役割を担っている重要な事が不足しているのではないかと感じました。御社にあって、当社にはないもの。それは経営理念が戦略に直接的につながっているという感覚(と表現すればよいのかがわかりませんが)を感じられないことです。もしかすると、当社は部品メーカーであるため、お客様が直接使っていただき、喜びを実感していただきにくい製品であるため、私たちの経営理念にある「お客様へ安心と快適さをお届けする」ということについて、目の前にいるOEMのお客様は見えても、末端の使用していただくお客様が安心して使用していただけているのかを、直接的に感じることができないからかもしれません。もしくは、良い製品をお届けするのはあまりにも企業としては当たり前のことで、日々の業務では心がけていることであるがゆえに、戦略と合致しているのかどうか、ということだけが、実感できないのかもしれません。当たり前のことをきちんとしてゆくということは重要なのかもしれませんが。

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一方、御社はプレ&ミドル&アフターウエディングを「ワタベワールド 美しいかどでの日」として、御社らしい独自のサービスを創造し、提供されている戦略が、そのまま経営理念の「すてきな生活文化を創造し」に直結しています。「ウエディングにこだわりながらも、こだわらない」とおっしゃっていた、大きな意味での「お客様にすてきな瞬間を提供する」というスピリットが生きていると感じたからです。お客様に対しても、そして従業員を含むステークホルダーと呼ばれる人々に対しても、経営理念として発信されるメッセージと、実際の製品や・サービスに一貫性があることが、企業としてのあるべき姿であると痛切に感じました。

もしかすると、経営理念は不変の部分と、お客様のニーズや情勢の変化によって、また、企業として成長してゆく過程でやるべきことを変えなければならない時には、経営理念を進化させる必要もあるのではないか、と感じました。
最後に、今一度、御礼申し上げます。
本当に素晴らしいお話をありがとうございました。  (M2 M・U)