戦略経営の実践(リレー講義)記録 一覧

戦略経営の実践(経営者リレー講義)第8回

2008年11月15日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
(株)トーセ 代表取締役社長
齋藤 茂

トーセ流コラボレーション経営 ~縦の異業種交流~

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

11月15日京都朱雀キャンパスにて、講義を興味深く拝聴致しました。私にとりまして、ゲームソフト・モバイルコンテンツの企画・開発は、未知の領域であり、講義の中に経営上における新しい発想が随所にあり、思考の幅が広がりました。

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昭和54年11月の㈱トーセ設立、昭和58年4月の家庭用ゲーム分野への戦略転換、ソフトの開発、同時並行して実行された事務所、開発拠点の統廃合拡大、更に海外への事業展開、齋藤社長が設立以来30年間ご自身で築き上げてこられたフロンティアスピリッツの一端をお聞かせ頂きました。企業経営自身も、ソフト的で、新しい型を築いてこられたと感じました。企業案内の中の情報力のページに書かれておりました「様々な業界をつなぎ、コラボレーション企画を提案。」の言葉通り、今後の事業の発展性は、際限なく大きいと思いました。講義の途中で、独自の戦略を貫きながらの進化と可能性を感じ、齋藤社長に対してソフト業界の坂本龍馬のイメージが湧いて参りました。

齋藤社長の講義でのお話、院生への質問に対する返答の中で特に興味深かったお言葉は、
・時代の移り変わりは早く、常に先読み、先取りして先手を打っておかねばならない。
(流れを掴み、自ら切り開いていく能力の高さ)
・自分は、知識型ではなく知恵型である。(自ら築き上げた新しい経営感覚)
・スター選手をわざと会社では作らない。(自社に合わせた独自の戦略)
・何でも毎日定点観測しているからピンとくる。(常に五感を働かす)
・メーカーの再編が進もうが、いずれもトーセの取引先。(ポジショニングによる独自の戦略)
・ポジショニングをミドルリスク、ミドルリターンにおいている。
(縦のコラボレーションを進める事による独自の戦略)
・ピンとくる直感が大切。そのために何をすべきか。(インテリジェンスを自ら探すこと)
いずれも、自らが築き上げてきた経営者の言葉として大切に受け止めました

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一番感銘を受けた言葉は、経験からも、アナログ情報が大切と熱心に話されたところであり、普段の行動、信用が大切で信頼関係に力を入れているとおっしゃられた時でした。会社経営の基本となる重要な考え方であり、その土台の上に時代の最先端を行く企画力・技術力さらにLibricaに見られるコラボレーションや、海外戦略へと繋がっていっていると思いました。

これからも、世界一のゲームソフト受託開発会社として、日本の誇るソフトパッケージの総合力とその高いクオリティーをさらに進化させ、エンタテインメント業界の発展に貢献してください。本当にありがとうございました。  (M1 H・H)


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第7回

2008年11月8日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
ワタベウェディング(株) 会長
渡部 隆夫

ワタベウェディングの成長戦略と国際展開~経営理念で企業を伸ばす~企業は変化・創造業なり

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

本日は貴重なお話を有難うございました。今回のお話を伺い、経営理念を形骸化させることなく、徹底して実行と結びつけることが大切ということを学ばせていただきました。

多くの企業が経営理念を掲げていますが、御社のように、従業員の全員と共有することを徹底し、日々の業務の実践レベルまで企業理念が息づいている企業は多くないと考えます。お話のように、全員参curriculum-management-081108-02加の経営が望ましく、上位層と末端までの考え方に相違があってはなりません。経営者としては、そのリーダーシップのもとに、末端の従業員までもが同じ志で日々の業務まで行うことができるような体制を整えることが、体力のある、強い企業をつくることができるのだと感じました。

当社にも経営理念がございますが、全従業員が行動指針のベースとして、とことんまで浸透しているか?と問えば残念ながらNOです。その差を考えたときに、経営理念の浸透に重要な役割を担っている重要な事が不足しているのではないかと感じました。御社にあって、当社にはないもの。それは経営理念が戦略に直接的につながっているという感覚(と表現すればよいのかがわかりませんが)を感じられないことです。もしかすると、当社は部品メーカーであるため、お客様が直接使っていただき、喜びを実感していただきにくい製品であるため、私たちの経営理念にある「お客様へ安心と快適さをお届けする」ということについて、目の前にいるOEMのお客様は見えても、末端の使用していただくお客様が安心して使用していただけているのかを、直接的に感じることができないからかもしれません。もしくは、良い製品をお届けするのはあまりにも企業としては当たり前のことで、日々の業務では心がけていることであるがゆえに、戦略と合致しているのかどうか、ということだけが、実感できないのかもしれません。当たり前のことをきちんとしてゆくということは重要なのかもしれませんが。

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一方、御社はプレ&ミドル&アフターウエディングを「ワタベワールド 美しいかどでの日」として、御社らしい独自のサービスを創造し、提供されている戦略が、そのまま経営理念の「すてきな生活文化を創造し」に直結しています。「ウエディングにこだわりながらも、こだわらない」とおっしゃっていた、大きな意味での「お客様にすてきな瞬間を提供する」というスピリットが生きていると感じたからです。お客様に対しても、そして従業員を含むステークホルダーと呼ばれる人々に対しても、経営理念として発信されるメッセージと、実際の製品や・サービスに一貫性があることが、企業としてのあるべき姿であると痛切に感じました。

もしかすると、経営理念は不変の部分と、お客様のニーズや情勢の変化によって、また、企業として成長してゆく過程でやるべきことを変えなければならない時には、経営理念を進化させる必要もあるのではないか、と感じました。
最後に、今一度、御礼申し上げます。
本当に素晴らしいお話をありがとうございました。  (M2 M・U)

 


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第6回

2008年11月1日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
(株)小松製作所(コマツ) 代表取締役会長
坂根 正弘

コマツの経営構造改革 ~強みを磨き 弱みを改革~

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

curriculum-management-081101-02先日のご講義では、大変貴重なお話をお聞かせ頂きまして本当にありがとうございました。  坂根会長のお話を聞き、会長は実際様々な「現場」で「目」を養われ、特に現実を客観的に見ること、直視することとそこで冷静に分析し具体的対策を立てられるという、まさに「現場主義的経営」をされているのだと感じました。現場を知らない経営者が「机上の空論」を並べて結果が出せないのは会長のような「目」がないからであり、私はビジネススクールで学んでいる私たち学生にとっては「お灸」をすえて頂いたような気がしております。その本質は決してビジネススクールでは学ぶことのできないものであり、実際に世界の「現場」から見た日本、日本から見た世界の「現場」を体験することで初めて会長のような真の「グローバル・アイ」を持つことができるのであり、それを持たずして世界的経営はできない、と痛感いたしました。
会長の「視点」を最も感じたのは釜山港を中心とし、日本がひっくり返った地図を見た時でした。「アジアと共に成長」という視点で今まで何度か企業や観光について考える機会がありましたが、常に日本地図が中心であり、特にどうしても東京圏を中心として考えがちになっていました。しかしコマツの発祥、石川県の事例を見るとなるほどと非常に分かり易く、これがまさに「われわれはこの地図ように見られているのだ」と、はっとさせられました。

私は会長のご出身県の隣、鳥取県の生まれで、山陰地方について質問もさせていただきましたが、そのお答えもやはり「現場」的でコマツの経営構造改革に見るような「強みを磨き、弱みを改革」という基本の下、「夢物語」で解決しようとするのでなく「現実」から何をすれば解決するか、を考えることが最も重要であり、これは山陰地方に限らずどこにいても、そして経営以外でも適用することができるのですね。経営者としての広い「視野」は、事業単位、プロジェクトを遂行するリーダー、スポーツなどチームプレイの司令塔、そしてさらに人生を語る上でも強みであるなら磨くべき、弱みなら改革するべき点であると感じました。

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変わらないこの会長の広い視野の感覚こそ、講義の内容を思い返すと、最初に会長が好きな言葉として挙げられた「知行合一」、私はこの言葉を知りませんでしたが非常に素晴らしい言葉であると共感いたしました。「成長」するために立ち向かうべき問題に対してとにかく勉強し、課題を解決する。最も効率的かつ合理的な知識の活用、「現場力の集積」が結果として「広い視野」をもたらすと考えます。私もただ学ぶだけでなく「知行合一」するよう、常に問題意識を持ち「現場」で解決する行動を重ね、成長していきたいです。

貴社が、今後さらにその「グローバル・アイ」で日本企業を、そして日本海側を活性化させる牽引役となり、発展されることをお祈りすると共に、お礼のごあいさつとさせて頂きます。  (M1 Y・M )


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第5回

2008年10月25日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
日本写真印刷(株) 代表取締役社長
鈴木 順也

B to B企業のマーケティング戦略 ~Trend Meets Technologyの実践~

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

今回のご講義で特に私が印象に残った点が3点あります。

一つ目は、“理論的フレームワーク”の大切さです。慶應の大学院商学研究科を出られているので、講義の中にMBAで勉強していて出てくる言葉や考え方がたくさんありました。さらに言葉だけでなく、実際にそのフレームワークを使って経営をされ、現在の高い業績をあげられています。これまで講義をされた経営者の方々はMBA的な考えというよりは、経験の中から独自に経営哲学を開発された方が多いと思います。私自身、学部curriculum-management-081025-02を卒業し一年働き、すぐ辞めてMBAに来ています。しかし、社会経験が多い同級生(経営者も含む)が多く、その経験のレベルの違いを痛感していました。目標は経営者ですが、ちゃんと社会にでてから来るべきなのかとも思いました。しかし、本日、鈴木さんが「ロジカルフレームワークをしっかり持つことは無駄じゃない!」と仰っていただいたことで、不安が飛び去りました。フレームワークの土台をちゃんと築いて、これから有効に使っていくことが大事なのだなと思いました。確かに今すぐには役に立てることができないかもしれませんが、それが無い人よりも経営者になるための土台になると思います。鈴木さん自身がそれを実行されているので、とても心強くなりました。

二つ目は、一つ目と関連しますが、“戦略を実際に活かしていること”にとても 感心いたしました。たとえばポーターのファイブフォースであったり、競争戦略であったり、BSC(バランスドスコアカード)であったり経営学を学んだ者は絶対知っているであろう戦略、手法を使いそれを実際の経営に使っていらっしゃるのは素直にすごいと思いました。鈴木さんもおっしゃっていましたが、経営は答えがないのでその戦略を使えば絶対うまくいくものではありませんが、それらフレームワークを使う重要性がわかりました。curriculum-management-081025-03
三つ目は、NISSHAの予見性(先を見据える力)です。2000年からの集中戦略は鈴木さんが中心になってされたのではないかと思うのですが、それより先の、1960年から80年における差別化戦略の方向性には、大変驚くところがあります。なぜならば、時は高度経済成長の時期であり、一般的にはコストリーダーシップ的な流れになりそうなのですが、そうではなかった。この時期には鈴木さんは会社にはいらっしゃらないので、先代の経営陣の方々にも冷静にロジカルに先を見据える力があったのだと思います。こう考えると鈴木さんが今持っているロジカルさは商学研究科で手に入れたものだけではなく、NISSHAの企業文化なのではないのかと思っています。“最終消費市場の動向を先回りして捉える。“OEMメーカーとダイレクトな関係を構築する“”課題を把握する“など他のメーカーがやりたくてもなかなか出来ないことを、もうすでにやっているところがすばらしいと思いました。以上、本当にありがとうございました。  (M1 H・N )

戦略経営の実践(経営者リレー講義)第5回

2008年10月25日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
(株)堀場製作所 最高顧問
堀場 雅夫

クオリア時代

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

本日の立命館経営大学院でのご講義有難うございました。先生の人生哲学・経営哲学は、国籍や経歴を超えて我々学生の胸に届いたと確信します。

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昨日の夜から、先生の著作 「もっとわがままになれ」と「イヤならやめろ」の2作を読んで講義に臨みました。挑発的なタイトルと裏腹にとても率直な思いの本と感じましたし、本日の講義も実に明快なものでした。

著作の中に先生が、請われて裁判所の離婚調停員に成られた時のことがありました。離婚すべきかどうか迷っている夫婦に、先生は前向きに考えて早く別れて、早くやりなおせとアドバイスばかりされるので、先生の担当は離婚率が他の調停員より高く、首になったと書かれていました。

その要諦は、一度しかない人生、美しく生きることがその最大の目標と説かれているのだと思います。やりたい仕事を通じて得た、技術や金銭や余暇を、仕事以外の自分のやりたいことの元手とする、そして自分の人生を美しく生きることが、おもしろ・おかしくやることなのだと思います。

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私も先生の考え賛同します。やりたい仕事、やりたい趣味に躊躇しません、 後悔しません、そして、当社の社員たちにもおなじように説き、美しく生きること を奨励し、応援しております。

本日のお話は私の実践裏付けとなり自信となりました。有難うございました。


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第4回

2008年10月18日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
(株)ソニーコンピュータエンターテイメント 名誉会長
久夛良木 健

コンピュータ・エンタテインメントの進化

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

本日はご多忙の中、大変貴重なお話を拝聴できましたこと心から感謝いたします。

会長の本日curriculum-management-081018-02のお話の中で特に印象に残った点は、任天堂との共同開発が破談となった件につきソニー社内で批判を受けながらも逆にチャンスととらえ、あくまでもポジティブに新たなビジネスを構築し成功なされた事です。

ソニーに対して、私は「自由闊達」で「チャレンジ精神旺盛」というイメージを持っておりましたので、会長が社内で批判にさらされたという事が意外でもありました。やはりソニーにも「大企業病」が浸透しているのでしょうか?
会長が再スタートされたおりのポイントとして、
・明快な経営ビジョン(衝撃的なイノベーション、全てのステークホルダーの利益を追求し最適な配分を行う)
・資金の確保(資金は自分で稼ぐとの信念と熱意およびスピード)
・人材の確保(有能な人材、最高の技術者、起業家精神旺盛な専門家集団)

以上3点をあげられましたが、大企業の場合、特に優秀な人材は上司が囲いこみ手離したがらない傾向が強く出ます。会長の人的魅力で引っ張る事が可能だったのだと考えます。
会長の非常にソフトな外見および印象とは裏腹な社内の抵抗勢力と闘った強いリーダーシップとカリスマ性を感じました。大組織の中で敗者の烙印を一度押されながらも同志を集め「大きな夢」を実現させる最高の技術レベルを持つ闘う集団を作り上げられました事に感銘いたしました。

ソニーの最前線から一歩距離を置かれた事が残念でなりません。curriculum-management-081018-03

ゆえに今後の会長のご動向に非常に興味があります。本日お話されましたオーダーメード医療、再生医療、ANTI-VIRUS、ANTI-AGING 等 今後新たなビジネスの分野でご活躍されることを確信いたします。本日は本当に有難うございました。


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第3回

2008年10月11日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
(株)PHP総合研究所 代表取締役社長
江口 克彦

成功は小さい努力の積み重ね

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

貴重な講演ありがとうございました。

ユーモアを交えた内容に社長のお人柄も理解できる講義でした。特に、ユーモアという点では「ゴーン gone with thewind」は「使える」と思いました。そのユーモアと一見、穏やかな語りの中に、「厳しさ」や「覚悟」のようなものが伝わって参りました。30年も赤字が続いていたPHP研究所を翌年に黒字にするということは人並みの努力ではないと推察されます。

curriculum-management-081011-02企業は、目に見えない、風土に包まれており、それを、変えることは、短期間では不可能です。言葉に表わせない大変なご苦労があったことと思います。 私はバブル崩壊後、経営が悪化した会社を立て直そうと、組織改革を担当しました。制度や仕組みを作り変えても、風土が邪魔をしてうまく機能しませんでした。その時の結論は、「なにをやっても、人は変わらない、会社は変わらない」 でした。会社はその後、3年で倒産しました。その時の経験からも、リーダーの役割、企業哲学や企業理念の浸透がいかに大切かを理解したつもりです。「バケツ一杯の水をかけ続ける努力」は根気と困難を伴います。理解しても実践はなかなか困難なものです。しかし、社長は自らを律し、模範的な行動を示して社員や取引先に変化を促す、そして、それが、従業員のためであること、「仕事することが目的でない、手段である。人間は成長することが目的」で大事であること。「世のため、人のためになる」素晴らしい言葉であり、誰もが目指しても、実践できない。

社長は、「ひとり、ひとりが素晴らしい存在」「全力、誠意を持って話す」というお言葉の通り、質問時間に、質問者の名前をしっかりと聞き、全力と誠意で、質問者に対応されました。名前をひとりひとりメモされていたところも、本当に全ての人に敬意を払う「有言実行」の人だなと深く感心致しました。

歳出削減は「もったいない」という倫理であり、経営でない点は頷けました。これなら従業員も納得します。これは、明日から使わせてもらいます。その上、5秒で決裁することは、普段から多くの情報に接し、知識を蓄え、常にあらゆることに自分の考えを持っていなければできないことです。特にシンクタンク、出版だからこそ、大変なことです。時代は、多様化、激しいスピードで変化しています。社長は、簡単なことのようにコメントされていましたが、これこそが、PHP研究所の成長の秘訣だと思いました。

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私が最も衝撃を受けたのは、「時間がライバル」という言葉です。簡単な言葉ですが、重みのある言葉であり、常に肝に銘じなければなりません。「限りある人生に全力をあげる。人間として100%充実したい。」とは、多くの人が思うことかも知れませんが具体的に「時間がライバル」といわれると24時間1秒たりとも時間を無駄にできないと思いました。そしてスピードが大切なことも理解できます。時間は1秒も無駄にできないと言う意味でも、講義はとても有意義でした。人生においても、仕事においても、大変多くの学びを得られました。  (M1 K・T)


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第2回

2008年10月04日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
福田金属箔粉工業(株) 代表取締役会長
福田 健

老舗の弱みと強み

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

福田会長の講演から学んだこと

本日はご多忙の中、貴重なご講演を賜り有難うございました。創業以来300有余年の歴史を有する伝統企業であり、現在も成長を持続されている福田金属箔粉工業株式会社の 創業一族である福田会長のお話を大変興味深く拝聴させていただきました。

印象深かったのは「ノウハウは道具に宿っている」、したがって「製造設備の外注・エンジリアリング部門のカーブアウトが企業の衰退を招く」というご見解でした。特に 貴社が300年もの長い間繁栄し続けることが出来たのは「製造設備の自社開発」にあるとおっしゃっていた点は非常に印象深かったです。それは私が現在所属している企業との 比較考量で気づかされる点があったからです。私が現在所属している企業はメーカーで、複数の事業部門から構成されるコングロマリット企業です。その中でも特に業績不振 部門は製造機器の内作のみならず製造そのものを外注しております。したがって会長のお話は非常に耳が痛く、メーカーとしてのあるべき姿を改めて考えさせられました。

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他には「無駄の徹底排除はマーケットへの対応の遅れに繋がる、型破り・ムダムリの余裕は次の製品を生み出す糧」との会長の信念です。機械的な合理化は企業の生命力を 奪うとのご見解ですが、そのご見解を生み出せる背景として株式上場企業と株式非上場企業の差が大きく関係しているのではと思いました。私が現在所属している企業は株式 上場企業であり、利益捻出に余念がありません。したがって生産合理化・効率化をストイックに追求しております。 生産合理化・効率化の追求だけが必ずしも次の製品を生 み出す糧の障害になっているとは思いませんが、その一部にはなっているような気がします。一方、 貴社は一時期、株式上場を検討されていたとの事ですが株式上場のメリ ットデメリットを総合的に勘案され最終的に株式非上場の判断を下されたとの事。貴社の製品開発に対する鷹揚な考え方は株式非上場ゆえの特権であり贅沢ではないかと感じ ました。

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一方で伝統産業の意識を捨てることが会社の課題であり、その解決方法を科学的手法に求めていらっしゃるところに、伝統だけでは会社経営は成立しない、環境の変化に対応できるもののみが生存を許可される「適者生存」を痛感致しました。ボーダーレス化が進展する時代の中で、自分がとるべき行動を考えざるを得ませんでした。

現在私は企業経営者の立場にあるわけではありませんが、背景の異なる多数の企業の経営方針をその経営者から伺うことは将来必ず何かのプラスに働くと思っております。 そうした意味では本日は非常に有意義な時間でした。有難うございました。  (M1 H・H)


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第1回

2008年9月27日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
日本電産(株) 代表取締役社長
永守 重信

情熱・熱意・執念の経営

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

永守社長の講義から学んだこと

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今般の講義の印象を一言でいえば、非常に刺激的かつ迫力があったことである。

私は、立命館の経営大学院に入学して以来、極力、機会をとらえては、いろいろな講演、セミナー、公開講義、展示会等に顔を出してきた。講演者は様々で、学者、研究者、評論家、政治家、経営者等多岐にわたっているが、それらと比較して、大変な迫力であった。

それぞれ、各界の専門家の説明・コメント・意見は、大変参考になったことは 事実であるが、永守社長の最大の特色は、まさに自らのたゆまぬ実践に裏付けられた重みではないかと思う。そして、いくつかの発言の中で、心に残っているのは、「人の能力は、大差がなく精々、2~3倍の違いだが、やる気の違いは大きな差があり、100倍違う」というコメントである。日本電産はたくさんの企業買収を行ってきたが、ことごとく不振企業を立て直すにあたって、(かつての業績不振時の経営者をも含めて)首切りを行わず、特別チームを大々的に送り込むような荒療治もやっていない、極論すれば、同じ条件の下、ひとのやる気を変えることで企業再建を果たしたというのは驚きであった。

現代は、知識社会と言われ、さまざまな知的・独自ノウハウの蓄積が差別化のポイントと言われているが、私は、実のところ、それは、ものとか、金に関係するノウハウもさることながら、究極のポイントは「働く人のやる気」、つまり、「ひとの問題」、ヒューマンスキルに集約されるのではないかと思っている。但し、ひとの問題というのは、お互いに「心」、「気持ち」という感情があるだけに、ある意味で対応は非常に難しい。外見では同じように見える行為であっても、時と場合で反応が必ずしも同じとは言えず、また、感情はつかみどころがないのも事実である。

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永守社長は、この人の心、気持ちをとらえる抜群のセンスととともに、まずは、自らが率先する点が、本当にすごいなと思う。それも、喜々としてひとのやる気を引き出し、自発的に仕事に取り組むように意識改革を進めていく。

ひとは、やる気で大きく変わり、自ら意識して取り組みことで、効果は格段にあがる。はっきりとそう思う。但し、ひとつ気がかりなのは、一方で、「ひとは、善なれども弱い存在でもある」という点である。特に、数が増え、距離が離れ、文化が違い、多様性が増してくると、ひとつひとつの弱さが増幅することがあり得るし、図らずも悪さをするという点は押さえておかなければならないと思う。  (M2 K・K)

 


戦略経営の実践(経営者リレー講義)第8回

2010年11月20日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
curriculum-management-101120-02(株)平和堂 代表取締役社長
夏原 平和

流通業の発展と平和堂の経営

本日は、夏原社長の大変貴重なお話しをいただき有難うございました。私は京都の宇治に住んでおり、平和堂やアル・プラザは良く知っているとともに利用させていただいているので、大変興味深く聞かさせていただきました。

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御社の店舗出店戦略としてフレンドマートの出店がありますが、この戦略は消費者にとって非常にありがたい戦略であると思います。
私の家庭は食と住で御社にお世話になっておりますが、アル・プラザまで買い物に行くには少し距離があります。しかし、フレンドマートが近所にできたことで、日常の買い物についてはフレンドマートで、週末の買い物はアル・プラザでという形で棲み分けし便利に利用させていただいており、このような消費者は多いのでないかと感じており非常に消費者の心を掴んだ戦略であると思います。

ポイントカードの現金化についてのお話しがありましたが、現金に換金できる驚き及び楽しみは利用者として実感しております。生活に必要な食品を主に購入していますが、必需品のため無理に購入している意識もなく、知らない間にポイントがたまり現金に換金できるということは、他社と差別化できる戦略であると思いました。

夏原社長は2代目でありますが、2号店を出店するときに平和堂に入社され、以降の平和堂の経営に携わってこられたということで、今日の平和堂を築かれたと言っても過言ではなく、お話しをお伺いしていると創業者の方がリレー講義でお話しされていたのと同じような熱い思いが伝わってきました。

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このような夏原社長の熱い思いがあったから、今日の御社があるのだと思います。私の家庭の生活の一部となっている御社が、これからも安定な経営をしていただき、末永く利用させていただけることを願いまして、消費者として提案を1つさせていただきたいと思います。
冒頭で、私の家庭は食と住で利用させていただいていると記載させていただきました。残念ながら衣の部分については、御社をあまり利用させていただいていません。事業報告書を拝見させていただくと、売上構成は食料品が55~60%、衣料品15%となっており、衣料品の部分については他の店にお客様を奪われているのではないかと思います。

そこで私は衣料品の部分においてユニクロをアル・プラザ内に出店してもらってはどうかと思います。私の住んでいる宇治では、ユニクロが大久保自衛隊の近くにありますが、駐車場が狭く、休日には駐車場待ちの車の列ができています。私は駐車場待ちがイヤでユニクロに行かないのですが、このような人は多いのではないかと思います。

もし、アル・プラザの宇治東や城陽にユニクロが入れば、衣料品がなかったために他店に取られていたお客様やユニクロ目的で来たお客様が御社に来店し、食料品も購入されるようになると思います。また、ユニクロ側も食料品を購入されるお客様が併せて衣料も購入されるというような相乗効果があるのではないかと思います。是非、ご検討いただければと思います。

最後に、本日はお忙しい中、夏原社長のお話しを直接お伺いできる機会をいただき誠に有難うございました。(S.T)

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