戦略経営の実践(経営者リレー講義)第6回

2008年11月1日(土)

curriculum-management-081101-01
国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
(株)小松製作所(コマツ) 代表取締役会長
坂根 正弘

コマツの経営構造改革 ~強みを磨き 弱みを改革~

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

curriculum-management-081101-02先日のご講義では、大変貴重なお話をお聞かせ頂きまして本当にありがとうございました。  坂根会長のお話を聞き、会長は実際様々な「現場」で「目」を養われ、特に現実を客観的に見ること、直視することとそこで冷静に分析し具体的対策を立てられるという、まさに「現場主義的経営」をされているのだと感じました。現場を知らない経営者が「机上の空論」を並べて結果が出せないのは会長のような「目」がないからであり、私はビジネススクールで学んでいる私たち学生にとっては「お灸」をすえて頂いたような気がしております。その本質は決してビジネススクールでは学ぶことのできないものであり、実際に世界の「現場」から見た日本、日本から見た世界の「現場」を体験することで初めて会長のような真の「グローバル・アイ」を持つことができるのであり、それを持たずして世界的経営はできない、と痛感いたしました。
会長の「視点」を最も感じたのは釜山港を中心とし、日本がひっくり返った地図を見た時でした。「アジアと共に成長」という視点で今まで何度か企業や観光について考える機会がありましたが、常に日本地図が中心であり、特にどうしても東京圏を中心として考えがちになっていました。しかしコマツの発祥、石川県の事例を見るとなるほどと非常に分かり易く、これがまさに「われわれはこの地図ように見られているのだ」と、はっとさせられました。

私は会長のご出身県の隣、鳥取県の生まれで、山陰地方について質問もさせていただきましたが、そのお答えもやはり「現場」的でコマツの経営構造改革に見るような「強みを磨き、弱みを改革」という基本の下、「夢物語」で解決しようとするのでなく「現実」から何をすれば解決するか、を考えることが最も重要であり、これは山陰地方に限らずどこにいても、そして経営以外でも適用することができるのですね。経営者としての広い「視野」は、事業単位、プロジェクトを遂行するリーダー、スポーツなどチームプレイの司令塔、そしてさらに人生を語る上でも強みであるなら磨くべき、弱みなら改革するべき点であると感じました。

curriculum-management-081101-03
変わらないこの会長の広い視野の感覚こそ、講義の内容を思い返すと、最初に会長が好きな言葉として挙げられた「知行合一」、私はこの言葉を知りませんでしたが非常に素晴らしい言葉であると共感いたしました。「成長」するために立ち向かうべき問題に対してとにかく勉強し、課題を解決する。最も効率的かつ合理的な知識の活用、「現場力の集積」が結果として「広い視野」をもたらすと考えます。私もただ学ぶだけでなく「知行合一」するよう、常に問題意識を持ち「現場」で解決する行動を重ね、成長していきたいです。

貴社が、今後さらにその「グローバル・アイ」で日本企業を、そして日本海側を活性化させる牽引役となり、発展されることをお祈りすると共に、お礼のごあいさつとさせて頂きます。  (M1 Y・M )