戦略経営の実践(経営者リレー講義)第3回

2008年10月11日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
(株)PHP総合研究所 代表取締役社長
江口 克彦

成功は小さい努力の積み重ね

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

貴重な講演ありがとうございました。

ユーモアを交えた内容に社長のお人柄も理解できる講義でした。特に、ユーモアという点では「ゴーン gone with thewind」は「使える」と思いました。そのユーモアと一見、穏やかな語りの中に、「厳しさ」や「覚悟」のようなものが伝わって参りました。30年も赤字が続いていたPHP研究所を翌年に黒字にするということは人並みの努力ではないと推察されます。

curriculum-management-081011-02企業は、目に見えない、風土に包まれており、それを、変えることは、短期間では不可能です。言葉に表わせない大変なご苦労があったことと思います。 私はバブル崩壊後、経営が悪化した会社を立て直そうと、組織改革を担当しました。制度や仕組みを作り変えても、風土が邪魔をしてうまく機能しませんでした。その時の結論は、「なにをやっても、人は変わらない、会社は変わらない」 でした。会社はその後、3年で倒産しました。その時の経験からも、リーダーの役割、企業哲学や企業理念の浸透がいかに大切かを理解したつもりです。「バケツ一杯の水をかけ続ける努力」は根気と困難を伴います。理解しても実践はなかなか困難なものです。しかし、社長は自らを律し、模範的な行動を示して社員や取引先に変化を促す、そして、それが、従業員のためであること、「仕事することが目的でない、手段である。人間は成長することが目的」で大事であること。「世のため、人のためになる」素晴らしい言葉であり、誰もが目指しても、実践できない。

社長は、「ひとり、ひとりが素晴らしい存在」「全力、誠意を持って話す」というお言葉の通り、質問時間に、質問者の名前をしっかりと聞き、全力と誠意で、質問者に対応されました。名前をひとりひとりメモされていたところも、本当に全ての人に敬意を払う「有言実行」の人だなと深く感心致しました。

歳出削減は「もったいない」という倫理であり、経営でない点は頷けました。これなら従業員も納得します。これは、明日から使わせてもらいます。その上、5秒で決裁することは、普段から多くの情報に接し、知識を蓄え、常にあらゆることに自分の考えを持っていなければできないことです。特にシンクタンク、出版だからこそ、大変なことです。時代は、多様化、激しいスピードで変化しています。社長は、簡単なことのようにコメントされていましたが、これこそが、PHP研究所の成長の秘訣だと思いました。

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私が最も衝撃を受けたのは、「時間がライバル」という言葉です。簡単な言葉ですが、重みのある言葉であり、常に肝に銘じなければなりません。「限りある人生に全力をあげる。人間として100%充実したい。」とは、多くの人が思うことかも知れませんが具体的に「時間がライバル」といわれると24時間1秒たりとも時間を無駄にできないと思いました。そしてスピードが大切なことも理解できます。時間は1秒も無駄にできないと言う意味でも、講義はとても有意義でした。人生においても、仕事においても、大変多くの学びを得られました。  (M1 K・T)