戦略経営の実践(経営者リレー講義)第4回

2012年10月20日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
特別講師
東京エレクトロン株式会社
東 哲郎

東京エレクトロン株式会社の経営戦略

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

東京エレクトロン(株)取締役会長東哲郎氏から学んだこと

curriculum-management-121020-03濃厚な3時間30分の講義でした。実に様々なことを東会長から学ぶことができました。
東会長の第一声であった、『こんにちは!』が元気に満ちあふれていて、聞いた後に、清々しい気持ちになりました。

東京エレクトロンにはTEL Valuesという、5つの価値観があります。誇り、挑戦、オーナーシップ、チームワーク、自覚です。それらを12センチ×6センチくらいの長方形の紙に書いて載せて、全社員に持たせているそうです。実際は3つに折りたためるものなので、4センチ×6センチくらいの小さい紙になり、非常にコンパクトサイズなので場所を取りません。東会長は自らの財布からその価値観を取り出し、受講生全員に回覧して、見せてくれました。5つの価値観は色分けされており、カラフルでとても見やすく、視覚的に記憶しやすいように配慮されているなと思いました。裏には、英語で5つの価値観が書かれており、世界中に従業員を抱えるグローバル企業ならではと思いました。
しかし、なぜ財布の中に入れられるような小さなサイズで製作したのか。私が推測するにその理由は、5つの価値観を全社員に常に携帯し肌身離さず持ってもらい見てもらい、それらを体に心に染み込ませてほしいためだと思います。財布に入れてあるのならば、スーパーでレジを待っている時でも見ることができます。社員証を家に忘れてしまったら、代わりの身分証明になるかもしれません。全社員に共有・実践してほしい5つの価値観を会社全体に浸透させるに一役買っている優れたアイディアアイテムだと思います。

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東会長と名刺交換をさせてもらいました。表には日本語で、裏には英語で名前が書かれていました。英語名はなんとTerry Higashi でした。世界を股にかけて仕事をしていることがにじみ出ている一枚だと思いました。
東会長が会社の中で実施されてきたことの1つに、目上の人にはさん付け、というのがあります。自分より年齢が上の人、そして役職が上の人が対象となるそうです。現在私は学生オンリーの立場ですが、社会に出た暁には東会長のさん付け基準に倣い、働きます。

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今回の講義を通じて何が一番印象に残ったか。それは30分の延長でした。東会長が東京エレクトロンに入りたての頃に言われた3つの言葉があります。1つ目が大志を抱け。2つ目がリーダーシップとは、人を理解しそれぞれの良い所を引き上げること。そして、3つ目が自分を犠牲にできることです。
今回、東会長は自らの貴重な時間を削ってまで、正に自分を犠牲にしてまで、時間を延長し質疑応答をしていただきました。言ったことを実現する、正に有言実行です。そして何よりもこの延長は、一時は教育研究を目指された方だと感じました。(O.N)

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