戦略経営の実践(経営者リレー講義)第3回

2012年10月13日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
特別講師
ノバルティスファーマ株式会社
三谷 宏幸

ノバルティスファーマ株式会社の経営戦略

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

戦略経営の実践 第3回レポート:ノバルティスファーマ(株)三谷社長

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ノバルティスファーマ㈱三谷宏幸代表取締役社長のお話は「医療・製薬業界の概況と今後」「グローバル企業と日本企業」「人的管理、リーダーシップとは」というテーマで構成されていた。本レポートでは「グローバル企業と日本企業」というテーマについて述べる。

「グローバル企業と日本企業」についてのお話を拝聴する中で強く感じたのが、「日系企業の限界」である。外国企業は事業ポートフォリオの組み方、リソースの配置、人的管理、企業文化のプロデュースやマネジメントに至るまで、すべてがロジカルである。

一方、日系企業は一言でいえば、「伝統的」マネジメントである。その違いは講義当日に配布された資料内の「日本とグローバル―考え方の違い」ページ内に端的に表現されている。これは自社や顧客企業の状況を見ていても同意できる内容である。しかし思い返すと、学生時代、留学から帰国した際にも、授業内容、教員の対応、クラスメイトとの関係など、米国の学校と日本の学校を比較して同様のことを感じていた。

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留学時は、自分自身の強みを見出し、その部分に自信を持って、さらに伸ばしていこうというモチベーションが日々高まっていき、くじけることがあっても、それをもモチベーションに変える強さに後押しされる形での前向き・積極的な自己研鑽をしている自分がいた。それは互いが生まれながらに異質なものであり、だからこそ面白く、素晴らしいことだという前提があったことが、互いを認め合い、互いにシナジーを生み出そうという行動に結びついていったのだろう。

しかし、帰国した直後、三谷社長が仰っていたような、日本の、枠にはめて規定化し、標準化・公式化することを是とする文化を痛切に感じたことが強く印象に残っている。

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どんどんと伸びていこうというアグレッシブさをもつ外国、収まる範囲で収めたいと思う日本、これが現状であろう。このように考えると、想定可能な範囲を超えた現象に柔軟に対応できず、日本が世界から遅れをとっているという状況は、もはや必然であるとしかいえない。
このような状況に、自分自身どのように対応するのか、という課題は、これから中堅・管理職へとキャリアを積んでいく年齢である私のような若者に課せられた大きな課題といえる。日頃、業務やキャリアアップ、自己研鑽に努める中でも、その場の空気や目下の事項にとらわれず、より大局観をもった上で、日本の良さを堅持しながら、よりロジカルにビジネスを進めていくかということを常々考えて臨みたいと考える。(M.O)

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