戦略経営の実践(経営者リレー講義)第4回

2014年10月18日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
株式会社オンワードホールディングス
代表取締役会長兼社長
廣内 武

オンワードグループの国際戦略

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

今回の講義をお聴きするまで、アパレル業界について細かい知識はなく、オンワードについても社名そのものは存じあげてはいたが、自分が直接的に購買する商品ではなかったため、身近な存在ではなかった。しかし、これまでのリレー講義の企業と決定的に違った点は自分の業界にも通じるBtoCの企業であるため、勉強になることが多々あった。

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“ブランド”という無形物を創り上げるビジネスであるが故に非常に大変さを感じた。途中に言われたハイリスクハイリターンな商売という言葉。おっしゃるとおりだと感じる。自分自身が料理を提供し、おいしいと感じてもらう仕事をしている上で非常に感じているものでもある。いくら頭をひねって論理的に思考し、たどりついた結果であっても受け入れられるか否かは消費者次第だ。結局、最終的には感性がものをいう。自分自身が気に入ろうが、それが多数の消費者の感性と一致していなければ成功にはつながらない。蓋を開けてみなければわからないのである。その中で、常にファッションの最先端を追い求めていく上でのビジネスモデルを見た気がする。

日本人としては少々残念ではあるが、やはり本場は欧州になるのだろう。そこで発信されるモードをいち早く入手し、そこから世界に発信していくことは、非常に合理的かつ正当な方法であると感じた。また、そのような環境であるからこそ、有能な意識の高いクリエーターが集まってくる。若い感性を持った才能を発掘する作業もファッション業界には不可欠な要素であるだろう。

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お話の中で出てきたジャンポール・ゴルチェ氏を発掘できたことは奇跡かもしれないが、そこに至るための過程は必然とも考えられた。日本発にこだわり続け、日本国内でのみの商売を行っていてはそのようなワールドクラスの人材を獲得することはできなかったであろう。

また、自分達の立ち位置を明確に持たれている印象も強く感じた。ユニクロ、H&Mや国内ではしまむらのようなSPA業界が市場を席捲していることは傍目から見ても周知の事実ではある。しかし、自分たちの立ち位置・市場をミドル~ハイエンド層へと明確に位置付けされている。安易に考えると、オンワードの規模・歴史から考えると巨大市場であるSPAへ参入してもおかしくないとも考えられる中、一貫し勝負を挑まない。日本代表として、ユニクロには頑張ってもらいたいと言えるその度量は非常に感銘を受けた。

路面店というものに関しても、これまで販売チャネルという概念でしか見ていなかったが、確かにブランディングという概念での出店もありえると附に落ちた。自身が出店計画を練る際、これまでは正直集客できる(儲かる)かどうかの一点でしかものを見ていなかったが、ある程度の基盤ができた上ならブランド力向上のための出店という手段も大いにあり得ると感じた。

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「感性と計数のマトリックス」という言葉が非常に耳に残り、感性がモノ言う世界でいかに経営につなげるか、非常に勉強になった。(E・N)

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