戦略経営の実践(経営者リレー講義)第2回

2014年10月4日(土)

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国際経営特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
講演者
三菱重工業株式会社 取締役会長
大宮 英明

「この星に、たしかな未来を」

以下は、当日の講義風景と講師の記念色紙、受講した院生のレポートです。

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同じ「スリーダイヤ」の冠で業務に携わる者としては、身が引き締まる思いで拝聴させていただいた。ピンク地ネクタイにゴールドのラペルピン、そしてストーリー性のある導入からタイトルの結びまでの講話より、大宮会長の経営者像を目の当たりにし、畏敬の念限りない思いである。

心に残る内容または興味ひかれるところが多くて、印象的な内容をひとつ選択してまとめることが難しいが、これは大事にしたいと思った言葉は「技術は騙せない」である。折しも10/5夜9時からNHKスペシャルで「防衛装備移転新三原則」のテーマをやっていた。“ユーロサトリ2014”の国際武器に向けての防衛省の思いから、小さな部品工場の思いまでが特集され、日本人の倫理感を考えるところとなった。「日本整備は芸術だ」とよく言われるが、ミニマイズが防衛装備として素晴らしい技術寄与している誇りと「人の死」に連結しているかの不安をどう考えるか、原発も飛行機も「人類生きるために必要なもの」と考えたい。だからこそ更なる平和と安全のための技術革進へと期待する。

 大宮会長curriculum-management-141004-HP-03からこぼれる言葉ひとつひとつから、当社も「三菱」の遺伝子は間違いなく同じであると頷くばかりであった。「真摯に誠実に」は、歴史から脈々と受け継がれてきた「組織」そのものを感じる。事業活動や社会貢献、環境の取り組みなども、地域から国、地球、宇宙へと、技術だけでなく「精神」が未来への道標となって、人から人へどんどんと広がっているのだと思える。  傍ら、転職してきた自分には「三菱」は特殊であるとも捉えている。慣習は選別なく根強く変わらない。まず「組織」は男性社会で成立していることに驚かずにおれない。大宮会長も「輝く女性の活躍に加速する男性リーダーのメンバー」として行動宣言策定に関わっておられるとのことであったが、当社の社長をはじめ、個人の見解としては女性の躍進等について大いなる賛成意見をよく述べられるが、「組織」は歴史そのものであり、山のように毅然たると動じず、そう簡単な変革はできない。女性の話は丁寧に聞くが意見は意見として捉えられない…「個人」と「組織」は別問題の風土に思える。
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 最後に…アナロジー思考や新しい組織設計としてのSBU制、また日立製作所との経営統合など、大転換を実践されてきた大宮会長の講話を拝聴しながら、当社においても積極推進できる「人物」はきっといることと期待し、そしてこの地球にとっても未来は確かなものと信じて止まない。(K.D)

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