戦略経営の実践(経営者リレー講義)第2回

2018年10月6日(土)

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特殊講義:戦略経営の実践
濱田 初美 教授
特別講師
三井物産株式会社 代表取締役会長
飯島 彰己

激変する事業環境と三井物産の経営戦略

立命館大学大学院 経営管理研究科(RBS)は、三井物産㈱代表取締役会長の飯島彰己氏を招聘し、 「戦略経営の実践」の特別講義を行った。受講生レポートを中心に当日の内容を紹介する。

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「激動」の時代を生きる
講義を受けて、飯島会長が激動の時代を生きる中で、絶えず世界的にアンテナを張り、自ら見聞きすることの重要性を意識され、国内や諸外国の要人との接触を大切し、この度の講義もGIVEだけでなく、学生の意見を聞く意味でTAKEである。とおっしゃる姿勢に感銘を受けた。また、飯島会長が何度も述べられていた「現場力」とは、勝手な解釈であるが、弱肉強食の世界を生きる「野生の力」に近いものではないかと感じることができた。
企業という生き物も、弱肉強食の世界で生き残らなければいけない。いつ出現するかわからない敵に対して一瞬でも気を抜くことができない。飯島会長が、事業案件の判断において、スッキリとしたものは大概うまくいくが、「もやもや感」があるものは、ネガティブに捉えようとしているとおっしゃった、これはまさに「野生の嗅覚」ではないか。この嗅覚こそ、経営者としての「現場力」がなせる業なのではないかと感じられた。

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創造の時代
イノベーション、とりわけAI,ロボティクスの発展が進む中で、従来の観念である業種を超えた事業領域が生まれる中で、総合商社の事業は「需要と供給」の関係から「課題と解決」の関係へ変化しているとの言葉があった。グローバリゼーションが進む中で、新興国の経済的発展が進み、過去の互恵的パートナーシップ(生産技術と資金を持つ先進国と、資源や安価な労働者を持つ新興国)の関係が変質する中で、今後はより高いサービスや社会的課題解決に向けた事業提案、これが本質的に求められる時代となった。
あらゆる業態で共通するのが、未来が過去の延長線上では考えられない時代であり、いかに想像し、いかに事業化へ展開していくかが求められる中で、価値創造ができない企業はいずれAIやロボティクス等の波にのまれていく時代に突入していると改めて認識することとなった。
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自らの振返り
『社長の後ろに人はいない。』この言葉が、講義の中で一番心に刺さった言葉である。日頃、業務の中で、「部」の業務責任を負ってはいても、自らの組織に対する経営責任を自覚しているものではない。まして最終判断が組織の存亡を招きかねないという重い判断をしたことはない。絶えず現場を見据え、想像し、「現場力」を磨くことで、その時に備えていきたいと思う。飯島会長に貴重な時間を割いてご講義頂き、このような気づきを与えて頂いたことに深く感謝したい。(O・H)

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