経営政策N1

授業コード・科目名・クラス開講期間曜日・時限単位数担当者名
      30494:経営政策 (N1)    後期 3Q 木 1-2時限       2    濱田 初美

 

授業の概要
企業が市場において勝ち残るためには,他社と競うための,そして他社に打ち勝つための戦略が鍵となります。また,その戦略が効果的であるためには,その企業の「組織としての能力」に適合していることが重要です。すなわち,戦略と組織の整合性なくしては,当該企業の存続成長は望めないと言えます。したがって,この授業では,戦略と組織の間の強い相関関係があることを前提とします。そして,競争戦略の策定に関して,組織との相関関係の観点から学びます。   
受講生の到達目標
環境が日々変化しているなかで,企業が生存・成長するためには,適切な戦略が必要です。そして戦略が適切に立案・実行されるためには,戦略の立案者や実行者に相応の力量が必要となります。
このことを踏まえて,この授業では,以下のような知識・能力の修得を目指します。                                    
1.基本的な環境分析ツールや戦略策定手法を習得することができる。
2.それらの基盤となっている概念・理論について学び,それぞれについて説明することができる。 
3.それらの手法を用いて,具体的なケースの分析・評価を行なうことができる。
4.それらの手法を用いて,環境変化に対応した競争戦略の策定を行なうことができる。
5.理論の学習やレポート作成を通じて,論理的な思考を意識することができる。
 
事前に履修しておくことが望まれる科目
本科目は,「マーケティング」や経営戦略関係の科目と強い相関があります。
事前・事後の別は問いませんが,これらの科目を履修することで,競争戦略への理解が深まると考えます。
 
授業スケジュール

 

1. ガイダンス:競争戦略の位置づけについて
  ①本授業の方針や進め方について
  ②戦略と組織の相関関係について
  ③戦略論の発展について
(前半)本授業の方針や進め方についてガイダンスを行なう。
(後半)戦略論における競争戦略の位置付け,戦略と組織の相関関係について確認する。
  併せて,戦略論の発展を確認する。

2. 競争戦略の概要について(1)

  ①環境認識・環境分析の意義について
  ②環境分析の手法について
ここでは,競争戦略策定の前提となる環境分析について,
その重要性や特徴,代表的な手法について学ぶ。
 

3. 競争戦略の概要について(2)

  -ポジショニング・アプローチについて-
  ①5フォース分析
  ②バリューチェーン分析,
  ③3つの基本的な競争戦略
ここでは,ポジショニング・アプローチについて学ぶ。
本講義では,代表的な理論としてポーターの理論を用いて,
その特色や主な概念・手法について学ぶ。

4. 競争戦略の概要について(2)

  -資源依存アプローチについて-
  ①資源依存アプローチの意義について
  ②VRIO分析
ここでは,代表的な理論としてバーニーの理論を用いて,
競争戦略における資源依存アプローチの特色や概念・手法について学ぶ。

5. 競争優位の源泉について

  ①競争優位の源泉としてのコア・コンピタンス
  ②競争優位の源泉としての知識
  ③協調的戦略
競争優位の源泉として代表的な概念について学ぶ。
また,近年の経営環境の変化を踏まえ,それら源泉の構築に際しての
協調的戦略の意義を学ぶ。

6. 競争優位と企業の地位について

  ①市場での地位の分類
  ②市場での地位による行動の違い
市場における地位について,特色や目的などのパターンなどを学ぶ。
さらに,それぞれの地位における行動の傾向について学ぶ。

7. 競争戦略とライフサイクルについて

  ①製品ライフサイクルの変化
  ②製品ライフサイクルと企業の競争行動
製品ライフサイクルの段階と,企業の競争行動の関係について学ぶ。
また,近年のライフサイクルの変化を踏まえ,想定されるリスクについて学ぶ。

8. 競争優位と規格をめぐる競争について

検証テスト
前半では,製品の規格をめぐる競争行動について学ぶとともに,
本科目の講義に関するまとめを行なう。
後半では,本科目における理解を確認するための検証テストを行なう。

 

授業外学習の指示/
授業の方法
最新情報を反映したケースタディを機軸に、第一線講師も招聘し講義を進める。ゲスト講師の講義日程は、初回講義時に提示する。事例の陳腐化等の場合、変更がある事を予め了解されたい。

経営のフレームワーク解説とケーススタディ、受講生の課題発表、ディスカッション等を組み合わせ講義を進める。

 

成績評価方法
       
種別割合評価基準等

定期試験(筆記)

0 %

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

0 %

平常点評価

100 % 8回中6回以上出席、課題提出とプレゼンを単位認定の必須要件とする。
授業への主体的参加 (小テスト含む):50%
課題提出とプレゼンテーション内容等 :50%
備考 
遅刻・早退を含めて,出席状況が著しく悪い場合は,成績評価の対象外になることがあります。

受講および研究に関するアドバイス

本科目で使用する教科書は,いずれも専門性の高い文献ですが,戦略分野の重要文献です。
そこでは,今日 競争戦略を考えるに当たっての基本的な枠組みが提示されています。理論の枠組みを提唱する文献そのものにあたることで,理解が深いレベルに達するものといえます。
講義は,抽象的な概念も用いて進めますので,抽象化や論理的思考の苦手な人の受講には不向きです。またグループ討論を通じて,それら概念の理解と習得を目指します。討論で積極的に発言を行ない,獲得した知識や経験を,討論なども通じて客観化・一般化することを目指す人の受講を期待します。

                                                      

教科書   
書名著者出版社ISBNコード備考
競争の戦略 M.E.ポーター,土岐坤・中辻萬治・服部照夫 訳 ダイヤモンド社 978-4478371527
企業戦略論 J.B.バーニー,岡田正大 訳 ダイヤモンド社 978-4478374528 
備考

                                             

参考書
書名著者出版社ISBNコード備考
競争戦略論(第2版) 青島矢一・加藤俊彦 東洋経済新報社 978-4492522035
MBAのためのケース分析(新版) 小樽商科大学ビジネススクール 編 同文舘出版 978-4495372620
備考

                                                   

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